平等の春

道ばたの一茎の花
それはいと小さいかもしれぬ
しかし彼の上には春がおどっている

小さく生まれた恵まれた一人の人間
それはいと小さいかもしれぬ
しかし愚者の上にも凡人の上にも如来はおどる

桜の上におとずれた春も
小さきすみれの上におどる春も
春は春である

高僧聖者と名もなき老婆と形こそちがえ 太さこそ変われ
如来廻向の春には寸分の差異もない
そこに平等の世界がある

(住岡夜晃『讃嘆の詩』)