あえて叱咤す

若人よ
くれぐれも君に同情する
だがわたくしは 君の周囲が悲惨であり 淋しく孤独であることに同情するよりも
もっと、君が温室の花のごとく 今日まで弱々しく育ってきた君の過去の幸福に同情する
若人よ
その逆境を喜べ
枯れる葉は枯らせよ 落ちる花は落とせ
しこうして今一度
霜雪と戦って 芽を出し枝をのばし 花を咲かせよ
汝の真価は ただそこからのみ生まれ
汝の光は 苦闘によってのみあらわれる
あえて叱咤す
青年よ 涙の谷底より起ち上がれ

(住岡夜晃『讃嘆の詩』)