金色

山も村も紫に黄昏(たそが)れて 金盆 西の山の端(は)に赤し
金色(こんじき)の雲 色うすれゆく時 明星次第に輝く

悠揚(ゆうよう)なるかな 荘厳(そうごん)なるかな
地上の生の終焉(しゅうえん)は永遠の生への出発である

噫(ああ) 君在りし日の黙々の精進 水火二河(すいかにが)の間を貫かれた一道の行歩(ぎょうほ)
その時 たれかこの静かなる一道の行歩が 
恒沙(ごうじゃ)の護念証誠(ごねんしょうじょう)の中にあるを知ったであろう

たった一人 泣くに泣けぬ日を念仏に忍び
たった一人 氷雪の野をほのかなる招喚(しょうかん)の御声(みこえ)に生きぬき
あるいはまた 春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)の順境にも一道を失わず
一生相続不退の歩みはついに今の今
大千応感動の盛儀(せいぎ)を展開して み親のみくにに帰りたもう

蓮華蔵界(れんげぞうかい) 弥陀法王 久遠(くおん)の一子(いっし)を携えて屋門(おくもん)に入り
檀林宝座(だんりんほうざ)に寂静涅槃(じゃくじょうねはん)の本際(ほんざい)を極めたもう

我ら五体投地して唯(ただ)尊容を仰ぎ奉る

(住岡夜晃『讃嘆の詩』)