夜晃先生在世中の『光明』誌 「デジタルアーカイブ(電子データによる保管庫)」です。
『光明』第10巻 昭和3年(西暦1928年)発行 夜晃先生34歳
聖人様。雪が降ります。綿のような雪が降ります。雪を見ると私は私の生まれた故郷の冬の日を憶い出します。雪の降る冬の日の故郷は、報恩講の営みやご正忌など、み法の相続に恵まれています。雪を見、故郷を思い出す時、私はあなたのことをしのびます。
一月十六日、それは、あなたが生死の苦海からあの世へと往生あそばした記念日であります。本年もまたそのご正忌が近づきました。
(「御正忌を迎える心」より)
冬である
万物のしいたげられた冬である
しかし眼をするどくして見るがいい
枯れた小草の間に
吹きさらされた小枝の先に
強い強い生命の力が動いているではないか
ふくらむ梅のつぼみと共に
春のめぐみは大地の底深く動きつつあるよ
生きる者の心は躍る
願力……それは群生の上に回向されためぐみである
(「巻頭の叫び」より)