深くなれ

深くなれ深くなれ
もっともっと深くなれ

何という浅い笑い方 何という浅い泣き方であることよ
浅薄(せんぱく)な思想 浅薄な感激 浅薄な人生観
大波に漂(ただよ)う小船のように流されて
その日その日がいつしかに過ぎてゆく

無限の暗(やみ)がその現前脚下に横たわる
何ゆえに大胆にその暗に徹せざる

無限の光が 彼(か)の岸より現実を照らす
何ゆえにその光に徹せざる

無限の光 汝(なんじ)の底なき暗を照らすに覚(さ)める時
汝は智慧の所有者として深い人生を生きるであろう

(住岡夜晃『讃嘆の詩』)